工作でよく聞く"心理誘導"とは?
心理誘導とは、他人の行動や思考に影響を与え、自分が望む方向に導くための手法です。
一般的には、人を説得したり、誘導したりするために、様々な手法やテクニックが使われます。
また心理誘導は、ビジネスや広告、マーケティング、政治など、さまざまな分野で使用されています。
商品購入を促すために、消費者に対して特定の感情を喚起する広告が行われたりします。
例えば
- 幸福感や喜びを与えるイメージを文言やカラーを強調して伝えることで、商品に対するポジティブなイメージだけを消費者に与え購入に誘導したりインスタグラマーやモデルを広告塔に使う事で勝手に人気商品だと思い込んでしまうのも心理誘導です。
心理誘導には様々な手法があり、代表的なものには、情報の偏りや歪曲、社会的証明や帰属の欲求、恐怖や不安の煽りなどがあります。
これらの手法を使用することで、人々は自分たちが望む方向に向かって自ら行動していると思い込みますが、実は他人に誘導されて動いているのです。
簡単な例で説明するとパイプ椅子を一定間隔に並べます。
そこに一つだけ間隔を変えてパイプ椅子を置きます。
そして複数人に自由に座って下さいと指示を出すと1つだけ間隔が違う椅子だけを無意識に避けて座ります。
これは集団心理を利用した違和感を感じさせ孤立からの嫌悪感で無意識に避けているのです。
これは自分で選択しているようですが意図して避けるように設計されているので他人に誘導されている事になります。
店舗の設計も心理誘導を用いています。
入り口からお客様をどちらに進ませたいのかで、什器や商品の陳列を変えて誘導します。
人はスペースが広い方から通りますし明るい方へ進む習性があります。要は視覚に左右されるのです。また圧迫感なども利用し誘導する方法です。
またレジから避ける傾向にあり店員の立ち位置でもお客様の進行方向が変わります。
そういった人間の習性を利用し、無意識な状態で自然に誘導されるように店舗は作られています。
心理誘導は広告などでも用いられます。
我々探偵業や別れさせ屋の例で説明するとまさに期間契約と回数契約も心理誘導のひとつ。
どちらにも良し悪しはありますが期間契約だと期間中は何回でも稼働出来ますというワードを強調します。
回数契約だと期間は関係なく回数分は必ず稼働します。
どちらがお得に感じますか?
もちろん何回でも稼働出来る期間契約ですよね。
ですが、いざ契約し実働回数だけで見てみると回数10回よりも満たない場合があります。
何故なら業者は何回でも稼働出来ますが、対象者の都合や周辺の警戒状況を考えると毎日稼働しない方が好ましいからです。
これについては違う記事で説明しているので気になる方はご覧下さい。
ですので何回でも稼働出来るというのは嘘ではないが、稼働しない方がいい理由があるので稼働しないのです。
結果的に業者は期間契約の方が利益的にも都合が良い。
これも上記で説明した無意識に損得勘定が働き"期間中は何回でも稼働出来る"というワードから勝手にお得だと判断してマイナス面を考えれていないという判断です。
また稼働経費込みというワードです。
稼働する為には、工作員の交通費や宿泊代やレンタカー代などは調査でかかる経費は依頼者様ご負担になります。
しかし稼働経費込みだとそれを支払わなくていいのです。
凄くお得に感じますよね?
しかし商売なのでそんなはずはある訳が無い。
元々プラン料金に平均経費を上乗せしているからです。
その為、着手金が高額になります。
ですので大体の依頼者様は実際の経費より多く払い過ぎている事になります。
しかし稼働経費は請求しないので実際にいくら使ったのか領収書なども提示する義務はないので実質の経費は知る術はありません。
またそういう方に気をつけてほしいのがワードに対してのポジティブなバイアスがかかる傾向にある事です。
高額、老舗、大手、1位など不確かな文言で根拠を自ら調べずにワードで判断しポジティブに捉えてしまいます。
- 高額だからしっかりしている
- 高額だからクオリティが高い
- 高額だから詐欺ではない
- 高額だから信用できる
大手だから老舗だから1位だからなどこれらのワードも心理誘導の一部になります。
"何故"という説明もしてないが勝手に良いと思い込んでいます。
それら心理誘導は恋愛の駆け引きや営業など対人関係にも利用されています。
- 恋愛では
毎日同じ時間に連絡し相手に対してルーティン化させておいて、あえて連絡せずに気にさせてみたり
気になる素振りをしてアプローチし続けて引いてみたり
相談内容に共感を繰り返して自分の理解者だと認識させたうえで、こちらから◯◯じゃないですか?というと相手も共感してくるので、同調してきたら誘導してみたり
ボディタッチもボディランゲージもそうです。
- 営業でも
価値や希少性など、それを利用するとどういった効果やメリットがあるかなどを散々プレゼンして興味を示した所で、押さずに引いて違う話しに切り替える事で更に気にさせてみたり
押さずに引く事を優先する裏で押している形になったり
相手の性格や自分と相手の立場などを考え、様々な状況からアプローチが出来るのが心理誘導です。
以上の事が心理誘導についての簡単な説明にはなりますが、心理誘導とは奥が深く悪く使えば公序良俗に反したり上手く使えば人助けになったりします。
しかし下手な心理誘導をすると魂胆が見え見えで逆効果となり嫌悪感が生まれますので誰もが出来る訳ではありません。
ポーカーフェイスでナチュラルに気配から消して演技では無く自分自身を偽る事の出来る人物でなくては心理誘導を行う事は出来ないのです。
そういった事を対象者の行動調査から、接触場所を見定めて依頼内容に沿った心理誘導を行うのが工作でよくいう心理誘導となります。