ロマンス詐欺
日本で国際ロマンス詐欺が急増している背景に「日本人は恥ずかしがり屋で被害届出さない」という人間性が犯罪組織の中で狙われる一つの理由としてあるのだという
マッチングアプリやSNSが主流化しオンラインで出会いを求める人が急増した。それを利用してオンラインで外国人を装って恋愛感情を抱かせ、金をだまし取る「ロマンス詐欺」
特に中高年が対象とされる事が多く、会ったこともない恋人に多額のお金を渡してしまうなど被害が急増している。
被害女性が語る巧妙な手口とは
国際ロマンス詐欺を語ってくれたのは
都内に住む40代独身女性Aさんがマッチングアプリで出会った自称国際弁護士だというアメリカ人男性との実際にあった内容だ。
写真を見て優しそうな方だったのと印象もいい方でした。高収入で国際弁護士のアメリカ人と名乗る男です。仕事以外の時間は、ほとんど2人で連絡をしていました。初めての体験で楽しさというかワクワク感っていうのがありました。
たわいもないやり取りを続け、ようやくAさんは男性と日本で会う約束をした。しかし会う前日になって突然のキャンセルの連絡がきたのだ。
裁判に出るため会えなくなった。その代わり素敵なプレゼントを君に贈ったよ。僕にとってあなたは特別な人だからね
会えなくなったのは残念だったが、彼からの思わねサプライズに心が躍る。
しかし、その後思わぬ展開に・・・。
プレゼントの輸送にかかる税関代金の支払いが発生した。ここはインターネット環境が悪いから、パソコンが使えない。僕の銀行口座とか色々伝えるから、あなたのパソコンから代わりに送金してくれないかな?
指示される通り口座のサイトにアクセスし操作すると…。
金額も入れて送金ボタンを押したら、銀行の画面からストップアラームみたいな赤い信号がポンって出てきた。【銀行口座がロックしました。】という画面が出て・・・
自分のせいで口座を凍結させてしまったと誤解しパニックになったAさんに、ウォードは次のように話し、Aさんにお願いをしてきた。
操作ミスで口座が凍結してしまった。凍結が解けたらすぐに返すから立て替えてくれないか?
Aさんは凍結させてしまったという責任を感じ、申し訳ないという気持ちから7500ドル(約80万円)を立て替え指定された口座に振り込んだ。するとその後、男から領収書が届いた。しかしその領収書は偽物だったが信じてしまうくらい手の込んだものだった。
もちろん銀行口座のサイトも偽物で必ずアラートが出る仕掛けになっていたのだ。
お金を立て替えた日から男性は毎日「愛してるよ」などと愛をささやくようになった。
その後もテロ対策証明書の発行料など、Aさんが金を立て替えることが続いた。その度に男性はAさんに対し、不信感を抱かせないよう巧みな優しさを見せる。
証明書などを見せられ、すべて信じ込んでいたAさん。
男への多額の振り込みは、いつしか将来のために2人で乗り越えなければならない“試練”であるかのように思いこんでしまった。
400万円あった貯金と消費者金融から借りた200万円をつぎ込み、ついにお金が底をついた時、Aさんは不信感を覚え始めウォードを問い詰める。
さすがにおかしいでしょう!
申し訳ない。僕はアメリカ人でもなく、ガーナ人です。詐欺グループの1人で、自分はただただ上の指示通りにメッセージを送っているだけなんだ。グループを抜けると殺されてしまう。
冷静になれば気づくかもしれない。払うのおかしいだろう、怪しいだろうって思うんですけど、当時は感情が入って周りが見えなかった。
この詐欺グループによる被害額は判明しているだけで4億円以上だったという。